一人ひとりの存在を大切にできる社会 私が気付く。社会が変わる。
ここに住むキャラクターは、私たち一人ひとりのこころの中にいる「気持ち」から生まれました。
にこにこ笑っているように見えても本当は泣いていたり、無表情に見えてもたくさん考えていたり、納得しているように見えても実は怒っていたり…。
気持ちを隠したくなったり、本当の自分を知られるのが怖いとマントをかぶって自身の存在を隠すことも。
他者から見た印象と本人の思いが違うこと、真実が隠されていて見えにくいこと、本当に伝えたいことがなかなか伝えられないこと、皆さんもありませんか。
皆さんは、普段の生活で「マナー」や「ルール」について学び、それらを守りながら安全で、快適な生活を送ることを心掛けていると思います。SNSも同じで、「インターネットの世界だから、特別に許される」というマナーやルールはありません。
しかし、その手軽さや投稿までのハードルの低さから、安易な気持ちでメッセージを送ったり、写真や動画を投稿したりすることで、誰かを傷つけたり、思わぬ犯罪に繋がったりすることがあります。
リスクを知り、自分なりの距離感や付き合い方を考えながら、楽しくSNSを活用しましょう。
私が撮った写真、
他の人が撮った動画。
休み時間、部活動、友達との遊び、外出先での思いがけない出来事、思わずスマホで撮りたくなるシーンは数多くあると思います。皆さんが記録した写真、動画、音声には、「個人情報」や「プライバシー情報」が多く含まれていることを知っていますか?個人情報は、「特定の個人を識別できる情報」をいい、主に次のようなものがあります。
- 氏名
- 電話番号
- 住所
- 特定の個人を識別できるもの(写真や動画や音声)
- 保険証やパスポートなど個人に割り振られる公的な番号
- 身体に関する情報 など
プライバシー情報とは、「自分が他人に知られたくない情報」をいい、主に次のようなものがあります。
- メールやチャットの内容
- 通話履歴
- 連絡先
- 自宅や学校の位置情報
- スケジュール
- 家族や友人の情報
私生活上で秘密にしたいこと、特定のグループ内で共有している情報、他人のプライバシーに関わる情報が全て含まれます。また、別々にアップした画像や動画であっても、思わぬ形で個人が特定されたり、プライバシーを侵害してしまったりすることもあります。個人を特定できる観点から「個人情報」として取り扱われる場合もあり、明確に区別されているものではありません。
友達であっても、知らない人であっても、自分が撮影した写真や動画については、SNSに掲載する前に必ず本人に確認を取るようにしましょう。また、他人が投稿したメッセージ、写真、動画についても、気軽に「いいね」「リポスト」「タグ付け」「ハッシュタグ」したことが、後に「フェイク(にせもの)だった」「違法性があった」と判明するものもあります。犯罪に加担するつもりはなくても、結果的に関与してしまうこともあり、また一度炎上すると削除してもインターネット上に永遠に残るリスクがあります。そのことで、進学や就職、結婚など自分の将来まで影響が出る事例もあり、自分なりによく確かめて行動するようにしましょう。
友達の友達は、本当に友達?
普段SNSを使っていて、「友達申請」「フォロー申請」を受け取ったことはありますか?「友達」「フォロー」という言葉には、自分にとって身近な存在を意識させる、安心感を得られるニュアンスが含まれるため、気軽に許可することが多くあるかも知れません。
しかしある日突然、見ず知らずの人が目の前に現れて「あなたのSNSをフォローしているから、友達ですよね」と言われたらドキッとしませんか?
インターネット上では、プロフィールも写真も本人以外のものを使用できる環境にあり、実際のものと異なるケースも多くあります。申請を受けたからといって安易に許可をすると、トラブルに巻き込まれる可能性もあるため、少しでも違和感があったり、不安に思ったりすることがあれば、安易にメッセージのやりとりをしたり、直接会いに行ったりしないようにしましょう。
友達だもん。いつだって、どこだって、連絡したい!
楽しいこと、おもしろいこと、不安なこと、大変だったこと、取り留めもないこと……友達とならどのような話題でも共有したくなる気持ちがあると思います。また、「対面だけのやりとりだけではなく、SNSでもつながっていたい」という思いも、誰もが経験することでしょう。対面であっても、SNS上であっても、友達の関係性は同じで皆さんにとってかけがえのない存在になります。だからこそマナーやルールを大切に、SNSを心地よいツールとして使えるよう、自分なりの付き合い方を考えていきましょう。
ID交換をしたり、友達申請をしたりしてSNS上で友達になる場合にも、互いの同意を得るようにしましょう。メッセージをやり取りする場合、短い文章、絵文字、スタンプが続くと、ニュアンスが的確に伝わりにくいことがあり、表情、イントネーション、トーンは、メッセージを受け取った相手側が想像して補っていきます。その際に、本人に悪気がなくても否定的に受け取られることや、誤解を生んでしまうことがあります。
大切なことは、メッセージのやりとりが対面であってもSNS上であっても、自分の気持ちと相手の気持ちを思いやることです。顔が見えない、あるいは匿名だからといってどのような言葉を使ってもいいというわけではありません。個人を特定する、しないに関わらず批判するメッセージ、傷付けるようなメッセージはリスクが大きく、発言の責任は個人に課せられます。
また相手が見えない分、「どうしてメッセージをすぐに返してくれないの?」「週末の予定、グループの中で私だけ知らなかった」ということが起こることもあります。しかし、私たちは多様な価値観や習慣を持って生きているため、生活時間も大きく異なります。メッセージを送る頻度や時間にも気を配り、相手の反応を待つ余裕を持ちましょう。また、本当に伝えたいことはSNSではなく対面にするなど、自分なりに使い分けをすることも大切です。
肖像権?著作権?よくわかんない。
世の中にあふれる全ての作品、人物には「著作権」や「肖像権」があって、法律で保護されていることについて知っておきましょう。
「著作権」は作品(音楽、絵画、動画など作者の思いや感情が表現される全てのもの)を創作した者に与えられる権利をいい、無断でコピーしたり、インターネットで利用したりすることはできません。「肖像権」は、自分が他人から撮影されたり、撮影された写真や動画などを公表・利用されたりしない権利をいいます。皆さんも、自分の許可なく勝手に撮影されたり、それをSNSにアップされたりしたらとても嫌な気持ちになりますよね。
先に解説した個人情報やプライバシー情報と同様、法律で保護されているものが多くあります。「未成年だから許される」「知り合い同士だから許される」というものではありません。「友達と一緒で楽しかったから」「みんなで盛り上がろう!」という軽い気持ちでこれらの情報をSNS上で送ったり、写真や動画をアップしたりすると、法律に違反し、懲役や罰金が科せられます。掲載する前には必ず確認するようにしましょう。