自分を大切にすることと、周りを大切にすることは、深いところでつながっている。

#STOP!誹謗中傷
一人ひとりの存在を大切にできる社会 私が気付く。社会が変わる。

ここに住むキャラクターは、私たち一人ひとりのこころの中にいる「気持ち」から生まれました。

にこにこ笑っているように見えても本当は泣いていたり、無表情に見えてもたくさん考えていたり、納得しているように見えても実は怒っていたり…。

気持ちを隠したくなったり、本当の自分を知られるのが怖いとマントをかぶって自身の存在を隠すことも。

他者から見た印象と本人の思いが違うこと、真実が隠されていて見えにくいこと、本当に伝えたいことがなかなか伝えられないこと、皆さんもありませんか。

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性の多様性

学校生活の場面から考えてみましょう。皆さんは、制服のスラックスやスカートの着用、友達の名前を呼んだり、呼ばれたりするときの「くん」「ちゃん」付け、休み時間の友達との過ごし方、体育の時間の着替え、誰かを好きになった際に、違和感や居心地の悪さを覚えることはありますか?
私たちが普段の生活で無意識にやり過ごしていることの中には、「男性・女性」の領域で整理されていることが多くあり、そのことで不安や生きづらさを抱えている人がいます。
性の多様性について学ぶことで、そのような思いを持っている人について理解を深めるとともに、「一人ひとりが安心して、自分らしく生きる社会」をつくるためにどう行動できるかについて考えていきましょう。

性の多様性 Episode 01性別は「身体的なもの」にだけ
由来するものなの?

男か女か、だけなのかな?

「男の子らしく、しっかりして」「女の子は、そんなことしちゃダメ」これまでの生活の中で、誰もが一度は「男だから」「女だから」という視点から、「こうあるべき」「こうしなければならない」という価値観に基づいた言葉を掛けられたり、言ったり、聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。しかし、そもそも「男」と「女」とは何によって決められているものなのでしょう。
私たちは皆、生まれた時に「性」が割り当てられます。これは、法律(戸籍)上届け出る必要があり、身体構造のみによって決められた性です。しかし、成長とともに、その割り当てられた性で生きることや、性別で固定化された表現、異性愛が前提とされた社会に違和感を覚える人がいます。「私は女の子だけど、女性的な体付きになっていくのが嫌」「私は、男の子も女の子にも恋愛感情をもつ」「私は男の子。でも、女の子と同じようにメイクもしたいし、ガールズファッションも楽しみたい」など、抱える違和感や思いは様々です。現在(2024年時点)では、「性」について考える時に次の4つの軸を使って考えることがあります。

セクシュアリティ 以下の4つを含む、性のあり方の総称

  1. 【生まれた時に割り当てられた性】戸籍(法律)での性別
  2. 【自分が安定的に認識している性】ジェンダーアイデンティティ(性自認)
  3. 【好きになる性】セクシュアルオリエンテーション(性的指向)
  4. 【表現する性】ジェンダーエクスプレッション(性表現)

これまでの人類の長い歴史の中で、性は「男/女」の2種類だけ(性別二元論という)と考えられてきましたが、その2つに当てはまらない性のあり方もたくさんあります。多数派でない性のあり方を持つ人を、「セクシュアル・マイノリティ」(性的マイノリティ)といいます。「LGBTQ+(エル・ジー・ビー・ティー・キュー・プラス」などを含む総称として使われることが多くあります。

LGBTQ+とSOGI

LGBTQ(エルジービーティーキュー)はLesbian(レズビアン)・Gay(ゲイ)・Bisexual(バイセクシュアル)・Transgender(トランスジェンダー)・Questioning(クエスチョニング)の頭文字をとって組み合わせた言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつです。そして、性のあり方はこの5つにはとどまらないため、それを示すために、「+(プラス)」をつけて、「LGBTQ+」を使うこともあります。
これに対し、「SOGI(ソジ)」とは性的指向(Sexual Orientation・セクシュアルオリエンテーション)と性自認(Gender Identity・ジェンダーアイデンティティ)の頭文字をとった言葉で、誰もがもつ性のあり方を表しています。性的マイノリティの人だけではなく、異性愛者の人や生まれた時に割り当てられた性に違和感を持っていない人も含む全ての人の性の在り方を包み込む考えに基づいています。
※SOGIに性表現(Gender Expression)と性的特徴(Sex Characteristics)の頭文字を加えたSOGIESC(ソジエスク)という表現も使われ始めています。

SOに関する用語
Sexual Orientation(性的指向)
Lesbian(レズビアン)女性同性愛者
Gay(ゲイ)男性同性愛者
Bisexual(バイセクシュアル)両性愛者
Questioning(クエスチョニング)性的指向・性自認がはっきりしない人や決めたくない人
Heterosexual(ヘテロセクシュアル)異性愛者
Asexual(アセクシュアル)人に性的な欲求を抱かない人
Pansexual(パンセクシュアル)全てのセクシュアリティの人を恋愛対象とする人

GIに関する用語
Gender Identity(ジェンダーアイデンティティ)性自認
Transgender(トランスジェンダー)出生時に割り当てられた性別と性自認が一致しない人
Cisgender(シスジェンダー)出生時に割り当てられた性別と性自認が一致している人
Xgender(エックスジェンダー)男性・女性の二分法に捉われない性自認の人

(出典:福島県「多様な性に関する職員ハンドブック」2023年1月発行)

この他にも、
+(プラス)多様な性の広がり
など、性を表現する言葉は数多くあります。少数派であっても、多数派であっても、私たちは全員が多様な性の当事者であり、性に対する考え方や思い、社会の在り方について自分事として捉えることが大切です。

性の多様性 Episode 02「私は偏見は持っていない。」
…でも、理解しようとしてる?

全然、わかってなかったな…

学校生活の場面から、性的マイノリティの人が抱える思い、違和感について想像してみましょう。
制服のスカートやスラックスをはくこと、自分の名前を「くん」や「ちゃん」付けで呼ばれること、休み時間を男子だけまたは女子だけのグループで過ごすこと、更衣室で男女に分かれて着替えること、宿泊研修で男女に分かれて部屋割りをしたり、大浴場に入ったりすること、男女で分かれているトイレを利用すること、誰かを好きになること……このようなたくさんの場面で性的マイノリティの人は困難や不安、差別を経験しているのです。

「私は本当はスカートをはきたくない」「私は自分自身を女性だと認識しているのに、“くん”付けされることで、「私は男なのだ」と自覚させられてしまう」「男の子と一緒に外遊びしたいけど、女の子のグループに入っていないと仲間外れにされる」「私は身体を見られることがとても恥ずかしい」「僕が女性っぽい仕草をしただけで“オカマ”と笑われた」「私は性自認は女性で、性的指向が女性なのに「彼氏できた?」と聞かれて、答えをいつもごまかしている」「女性用トイレを利用したくないから、あまり水分を摂らないようにしているし、トイレも我慢している」…など覚える違和感、受ける差別的な言葉や態度、抱える困難や不安、生きづらさは様々です。生活環境や慣習によって「普通」や「当たり前」のこととされていることに傷ついてしまう人がいるのです。

最近では

最近では、制服のジェンダーレス化やバリアフリートイレの設置が進むなど、環境を変えるための取り組みが進んでいますが、性には多様性があり、グラデーションのように存在すること、その人が抱える困難や生きづらさについて考え、理解を深めることが大切です。

性の多様性 Episode 03大切な人だからこそ、
言えないこと。

伝えるタイミングが分からない。

ここまで、「性」には多様性があり、「男/女」という2つだけに当てはまるものではないということ学んできました。「性的マイノリティについてはわかったけど、私の周りにはいない」と感じた人もいるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか。
性的マイノリティの人が、セクシュアリティが多くの人と異なるかもしれないと思う時期には個人差がありますが、小学校6年生~高校1年生の頃に気づくことが多いといわれています。早い人の場合、小学校に入学する前に自覚する場合もあります。そして、自分が性的マイノリティと気付いても、「いじめや差別を受けるのではないか」「病気だと思われる」「性の違和感を抱えているのは、私だけかもしれない」「親不孝をしている」「自分の気持ちを正直に話せないことで、周りの人にずっとウソを言い続けている感じがする」など、不安や葛藤から周囲の人に言い出せない人がいます。友達、家族、大切な人だからこそ、関係性を崩したくない、理想を壊したくないという思いを抱え、孤独を感じていることが多くあります。

性の多様性 Episode 04友達が自分のセクシュアリティを
話してくれた。
何か力になりたいから、
誰かに相談したいんだけど・・・

アウティングは絶対ダメ!

性的マイノリティの人が、自分自身の性的指向やジェンダーアイデンティティについて周りの人に伝えることを「カミングアウト」と言います。カミングアウトは、本人が選んだ人だけに伝える行為で、大きな決断と勇気が必要な人もたくさんいます。
しかし、聞いた人が、話した本人の同意なしに勝手に周りの人に伝えてしまうことがあります。このように本人の同意なく第三者に当事者のセクシュアリティについて暴露することを「アウティング」と言います。口頭で伝えたり、SNS上で書き込みしたりするなど方法は問わず、「本人のため」と思っても、同意がない限り許される行為ではありません。

大切なことは…

現在、セクシュアリティに関する考え方や理解を示す人々が、少しずつ広がりを見せてきていますが、性的マイノリティの当事者は、少数派であるために周囲の人の理解不足や偏見から、日常の様々な場面で、困難や生きづらさを抱えています。私たち一人ひとりが自分事としてセクシュアリティについて考え、学びを深めていき、「一人ひとりが安心して、自分らしく生きる社会」をつくっていきましょう。

お問い合わせ

福島県生活環境部男女共生課
〒960-8670 福島市杉妻町2-16
電話 024-521-7188